今回の記事では、医師(開業医)向けに税理士の失敗しない選び方を解説していきます。
医師に限った話ではありませんが、税理士選びは経営を成功させるうえでかなり重要な要素の1つです。
良い税理士に巡り合えたことで成功した経営者がいる一方で、税理士選びに失敗して経営を破綻させてしまう経営者もいます。
そこで今回は独立開業を考えている医師向けに、税理士を選ぶ基準をお伝えしていきます。
チェックリスト形式で重要な条件を1つずつ解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
医師(開業医)に税理士が必要な理由
「そもそも医師に税理士は必ずしも必要なのか?」と考える方もいるかもしれませんが、結論から言うと、独立開業するなら税理士との顧問契約は結んでおくべきです。
私が税理士の立場だから言っているのではなくて、きちんと以下のような理由があります。
- 独立開業に伴って作業量が増加する
- 売上が大きくなると節税効果も上がる
- 税務調査のリスクが高くなる
- 経営を苦手とする医師が多い
まず独立開業すれば、税金に関わる雑務は大幅に増えます。
勤務医から独立すれば確定申告が必要になりますし、もしその先の医療法人化まで考えているなら、さらに税務はややこしくなるのです。
そういった煩わしい税務に手を取られてしまい、肝心な医療業務が疎かになってしまっては本末転倒でしょう。
さらに独立開業をすれば、売上が想定より大きくなる可能性もあります。
売上が大きくなるということは、それだけ節税効果も大きくなるということです。
それこそ税理士に依頼して積極的な節税をすることで、顧問料より節税できる額の方が断然大きくなるというケースも多いです。
そして、税務調査のリスクが上がることも考慮しなければいけません。
税務調査が来てから慌てて税理士を探す人もいますが、それではできることが限られますし、顧問税理士を抱えておいた方がより安心できます。
普段から間違えた節税をしていると追徴課税でとんでもない額を提示されてしまう危険性があるので、リスク回避の意味でも税理士とは顧問契約を結んでおくべきでしょう。
あとはあなたに経営者としての経験がない場合も、税理士との顧問契約を結んでおくことをおすすめします。
クリニックの開業については、医師としては優秀な方であっても経営や集客で失敗してしまうケースが結構多いです。
具体的にいうと、資金繰りで失敗したり、思うように患者さんが集まらなかったりして、上手く経営が回らなくなってしまうんですね。
そういった問題も、税理士との顧問契約で解決できます。実は会計事務所によっては税務だけでなく、経営面についてもアドバイスをしてくれるところがあるのです。
そもそも会計事務所は多くの経営者の相談を受けるので、必線的に経営に関する知識やノウハウが必要となってきます。
そのため経営ノウハウを持った会計事務所と顧問契約を結べば、経営面においても心強いパートナーとなるでしょう。
ただ一方で、税務だけに特化していて経営面は苦手な会計事務所もあります。経営面で不安があるのであれば、そういった会計事務所は避けるべきです。
ちなみに私たち池上会計も、経営に関する相談を多数お受けしています。
もしどの会計事務所に相談して良いかわからないのであれば、ぜひ私たち池上会計にご連絡ください。
現在、初回相談は無料とさせていただいています。
【チェックリスト】医師(開業医)向け税理士の選び方
優秀な税理士を選ぶために、以下の条件をチェックリストとして活用してみてください。
- 税務以外も対応してくれるか?
- 融資に強いか?
- 経営に関する知識があるか?
- レスポンスが速いか?
- 医療系に強いか?
- 料金が明確か?
- 税理士と自分の相性は良いか?
- 積極的にアドバイスをくれるか?
基本的に、これら8つの条件をすべて満たしている税理士が望ましいです。
それでは1つずつ解説していきましょう。
チェック1.「税務以外も対応してくれるか?」
税理士を選ぶうえで重要なのが「どこまで対応してくれるか?」です。
もちろん正確な税務や節税対策といった部分ができるのは前提条件ですが、それ以外にも「開業支援」、「経営コンサルティング」、「法人化支援」、「相続・事業継承」など、さまざまなサポートをしてくれる会計事務所もあります。
とくに今いるステージに合わせてアドバイスをしてくれて、さらに今後の展望まで一緒に考えてくれる税理士は非常に心強いです。
しかし一方で、税務に関することだけをサポートする会計事務所もあります。その分顧問料が安いというメリットもあるので、小規模なフリーランスなどであれば良いのですが、少なくともクリニックを構えて開業する医師には向いていません。
開業医として売上を伸ばしていきたいなら、税務だけでなくトータルでサポートしてくれる税理士を選びましょう。
チェック2.「融資に強いか?」
「融資関係に強いか?」というのも税理士を選ぶうえで大事なポイントです。
とくに開業医としてクリニックを開院する場合、建物・土地関係や医療器具の調達などで高額な初期費用が必要になります。
診療科目やクリニックを構える地域にもよりますが、例として歯科医の場合、5,000万円程度の開業資金が必要になるケースが多いです。
クリニックを開業するなら基本的に融資を受けることになるので、より良い条件で、より多くの融資を受けられるように、融資に関してもしっかりと経験がある税理士を選ぶようにしましょう。
チェック3.「経営に関する知識があるか?」
「きちんと経営に関する知識を持っているか?」というのも良い税理士には欠かせない条件です。
たとえ経営コンサルティングをやっている会計事務所であっても、必ずしも経営能力が高いとは言い切れません。
というのも、経営というのは医師免許のように能力の高さを証明してくれるものがないからです。
仮に経営能力の低い税理士の言うとおりに経営をしてしまうと、そのまま失敗してしまう危険性もあります。
そうならないためにも「経営コンサルの実績はきちんとあるのか?」、「そもそも会計事務所の経営は上手くいっているのか?」という部分は可能な限り探った方が良いでしょう。
チェック4.「レスポンスが早いか?」
意外と重要なのが「レスポンスの早さ」です。
ただでさえで医療業務で忙しいなか、さらに経営や税務についての悩みが発生している状況で税理士のレスポンスが遅いと、思っている以上のストレスになります。
さらにレスポンスがあまりに遅かったり返答をしょっちゅう忘れられたりするようでは、問題が深刻化したり、大事な商機を逃してしまったりすることにもなりかねません。
もし契約前の相談に対してのレスポンスがあまり良くないようなら、その税理士はやめておいた方が良いでしょう。
チェック5.「医療系に強いか?」
顧問契約を検討している税理士が「医療系に強いか?」というのも見ておきたいポイントです。
実は税理士には、それぞれ得意分野があります。
たとえば「建設業のサポート」が得意であったり、「フリーランスの税務」が得意であったり、もしくは「相続」が得意であったり、得意分野は税理士によってかなり変わってくるのです。このあたりは診療科目や得意分野がある医師と似ているかもしれませんね。
そのため、医師が税理士を探すなら当然、医療系に強い税理士を探すべきです。
医療関係が得意で経験が豊富な税理士であれば、より効果的な節税対策を提案してもらえたり、経営に関してより的確なアドバイスをもらえたりします。
逆に医療関係に詳しくない税理士から経営サポートを受ける場合は、的外れなアドバイスをされてむしろ足を引っ張られてしまう可能性もあるので注意しましょう。
チェック6.「料金が明確か?」
「料金が明確か?」という点も確認しておきましょう。
前述したとおり、税理士の仕事は意外と多岐に渡ります。言い換えると、さまざまな対応をしてもらう機会があるということです。
そして対応によっては追加費用が発生するケースもあります。この追加費用が、会計事務所によっては明確に設定できていない場合があるのです。
また同じ相談をする場合、ある会計事務所では顧問料に含まれていても、別の会計事務所では追加費用が発生するといったこともあります。
「顧問料の範囲内でどこまで対応してもらえるか」、「追加費用はどのように設定されているか」という点は事前に聞いておいた方が良いでしょう。
チェック7.「税理士と自分の相性は良いか?」
実はかなり重要なのが「税理士との相性」です。
顧問税理士とは長い付き合いになります。そのため、気に入らない税理士やコミュニケーションがとりづらい税理士と顧問契約を結んでしまうと、長期に渡ってストレスを感じることになってしまうのです。
ストレスだけならまだ良いですが、相談のしづらさから実際に損が発生するケースもあります。
逆に話しやすい税理士であれば、税務や経営のことなど気軽に相談できますし、アドバイスを素直に聞き入れることもできます。
人によっては仕事に私情を持ち込むべきではないと思われるかもしれませんが、実は税理士との相性は非常に重要な要素なのです。
チェック8.「積極的にアドバイスをくれるか?」
税理士を選ぶうえで、「向こうから積極的にアドバイスをくれるかどうか」もチェックしておいてください。
税理士に確定申告を任せれば節税は完璧、と思われるかもしれませんが、それは間違いです。税理士によっては節税できるポイントがあっても一切言わず、淡々と税務作業だけをこなす人もいます。
そもそも税理士に求められる最低限必要な仕事は「正しい税務を行うこと」です。そのため節税面については、積極的な税理士と消極的な税理士でかなりの差が出てしまいます。
しっかり節税をするためには、積極的にアドバイスや提案をしてくれる税理士を選ぶべきです。
もし顧問税理士があまり提案やアドバイスをしてこない場合、もしかしたら気づかないあいだに無駄な税金を支払っているかもしれません。
医療法人化まで検討しておくべき
独立開業のタイミングで税理士を探すなら、その先の医療法人化まで見据えて探すことをおすすめします。
開業してクリニックを経営していくうえで、節税や事業拡大の面から医療法人化を検討するタイミングが来ないとも限りません。とくに歯科医は法人化のメリットを活かしやすいため、経験上、医療法人化するところがかなり多いです。
そのため開業時に税理士を探すときには、医療法人化の可能性もあることを前提にしておきましょう。
医療法人化の可能性を事前に伝えておけば、税理士としても医療法人化すべきタイミングで提案をしやすいです。
【まとめ】医師(開業医)には税理士が必要
今回は医師が独立開業するときの税理士の探し方について解説をしてきました。
開業医になると煩雑な作業が増えたり、売上が上がることでリスクとリターンが大きくなったりすることから、基本的には税理士が必要になると考えておいて良いです。
ただし、税理士にも色々な人がいます。
得意不得意があったり、積極的なアドバイスをくれたりくれなかったり、税理士選びによって経営面で受ける影響は意外と大きいです。
ちなみに今回チェックリスト形式で8つの条件を解説させていただきましたが、もしクリアできる税理士に心当たりがない場合は、私たち池上会計に1度ご連絡ください。
良い税理士の条件としてみずから挙げているくらいなので、もちろん私たちはすべての条件をクリアしています。
とはいえ相性だけは実際にお話ししてご判断いただく必要がありますので、ぜひ1度ご連絡ください。
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