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飲食店は法人化すべき?メリット・デメリットやタイミングを解説!

飲食店の法人化

今回は飲食店の法人化について、税理士目線で解説していきます。

飲食店の売上が上がってきて、税金対策事業拡大を考えだすタイミングで検討したいのが法人化です。

ただ、実際に法人化することでどれくらいのメリットがあるのか、いまいちイメージがわかない方もいるのではないでしょうか。

また法人化にはメリットもある反面デメリットもあるため、きちんと理解したうえで検討しなければいけません。

そこで今回は、飲食店の法人化についてメリットやデメリット、検討すべきタイミングなどを解説していきます。

飲食店を経営しているなら、ぜひ参考にしてください。

 

飲食店が法人化する7つのメリット

飲食店法人化のメリット

まず、飲食店が法人化するメリットには以下のようなものがあります。

  1. 節税対策ができる
  2. 経費にできる範囲が広がる
  3. 社会的な信用が高くなる
  4. 個人の責任範疇が限定的になる
  5. 決算期を自分で決められる
  6. 社会保険に加入できる
  7. 赤字(欠損金)を10年間繰り越せる

1つずつ解説していきましょう。

 

メリット1.「節税対策ができる」

法人化することで最大税率が下がるため、節税対策になります。

個人事業主の場合は所得税(累進課税)で最大税率が45%となりますが、法人に課せられる法人税の場合は最大税率が23.2%です。

そのため、利益が多くなれば多くなるほど法人の方が税制上有利になります。

税率について、具体的には以下のとおりです。

〇所得税(累進課税)

累進課税

引用:国税庁_所得税の税率

 

〇法人税

法人税の税率

引用:国税庁_法人税の税率

 

このように納める税金が個人と法人で違うことから利益が大きい場合は、自分への役員報酬を最低限に設定して、法人にお金を残すことで税金を大幅に抑えられるわけですね。

 

メリット2.「経費にできる範囲が広がる」

個人経営の飲食店から法人化することで、経費にできる範囲が大きく広がります。

代表的な経費は以下のとおりです。

  • 住居費
  • 出張手当
  • 車両関連費
  • 生命保険
  • 退職金

細かく言えばほかにも色々とありますが、とくにこれらについては法人化によって経費にできる割合や要件が大幅に有利になります。

つまりその分、節税できるということです。

法人化による経費の変化についてはほかの記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

⇒法人化によって経費にできる範囲が広がる!個人事業主との違いとは?

 

メリット3.「社会的な信用が高くなる」

個人事業主から法人化することで社会的な信用度が上がります。

たとえば法人のお店なら安心だと思うお客様もいるかもしれません。

また、それ以上に仕入れ先や賃貸業者などの取引相手は、相手が個人事業主か法人かを気にするでしょう。

そのため法人化することで、仕入れや店舗の賃貸契約といった取引がよりスムーズに行えます。

あとは資金調達をする場合も、金融機関から信用されやすい法人の方が有利です。

もし事業の拡大を考えているなら、取引や資金調達をスムーズに行うためにも法人化を検討してみると良いでしょう。

 

メリット4.「個人の責任範疇が限定的になる」

個人事業主から法人化することで、個人の責任範疇を限定的にすることができます。

というのも法人は「法人格」として1つの人格として扱われるため、法人として契約しているものについてはあなたではなく法人として責任を取ることになるからです。

たとえば「法人名義でお金を借りたものの返済できず廃業してしまった」という場合、法人として借金返済の責任を負わなければいけない反面、社長個人は責任を負う必要がありません。

つまり、個人の財産を守ることができるわけです。(※個人名義で保証人になっている場合を除く)

これが個人事業主の場合、契約がすべて個人名義になることから責任はすべて自分で負わなければいけません。

このように法人格として飲食店を経営することで、個人に課せられる責任が限定的になります。

 

メリット5.「決算期を自分で決められる」

個人事業主は「年末締めで2月~3月に確定申告」で固定になりますが、法人の場合は決算期を自由に設定することができます。

たとえば飲食店の場合、忘年会シーズンの年末を避けて閑散期に余裕を持って決算を迎えるということもできるわけですね。

もしくは資金繰りを考慮して決算期を決めるケースもあります。

ちなみに決算期は、税務署に届出を出せば変更も可能です。

 

メリット6.「社会保険に加入できる」

法人化することで社会保険に加入できるようになります。

個人の保証より社会保険の方が保障が厚く、収入条件を満たした配偶者を被扶養者にすることもできるため、場合によってはメリットが大きいです。

ただし、法人化しても経営者は労働保険(雇用保険・労災保険)の加入対象とはならないので注意してください。

 

メリット7.「赤字(欠損金)を10年間繰り越せる」

法人化することで赤字(欠損金)の繰り越し期間が伸びます。

個人事業主の場合は3年ですが、法人であれば10年間繰り越し可能です。

飲食店の場合はそこまで赤字を繰り越すことはないかもしれませんが、1つのメリットとして覚えておいてください。

 

飲食店が法人化する5つのデメリット

飲食店法人化のデメリット

ここまで飲食店が法人化するメリットを解説してきましたが、一方で以下のようなデメリットもあります。

  1. 法人設立に手間や費用がかかる
  2. 従業員も社会保険への加入が必要
  3. 事務作業の手間が増える
  4. 赤字でも納税が必要
  5. 交際費のルールが厳格化する

デメリットについても詳しく解説していきましょう。

 

デメリット1.「法人設立に手間や費用がかかる」

法人を設立する際には手間費用がかかります。

株式会社ならおよそ22万円~25万円、合同会社なら10万円~11万円程度です。

手続きを税理士に任せる場合は、別途その分の費用も必要になります。

ただ法人化を検討するくらい利益が出ている状態なら、費用面よりも手間の方が問題になるケースが多いです。

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もし法人化を考えているなら、ぜひ1度詳細をご確認ください。

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デメリット2.「従業員も社会保険への加入が必要」

個人事業主の場合は雇用している従業員が5名以下であれば社会保険の加入は任意でしたが、法人化することで従業員数や雇用の有無を問わずに社会保険への加入が義務付けられます。

社会保険料は労使折半となるため、半分は会社側で負担しなければいけません。

今まで社会保険に加入していなかった場合は、法人化によってその分のコストも上乗せされます。

 

デメリット3.「事務作業の手間が増える」

法人化すると、個人事業主のときよりも事務作業や会計処理の手間は増えます。

法人化を機に事務作業員を雇うか、もしくは会計事務所と顧問契約を結ぶ場合はコストが上がるため、その点は理解しておきましょう。

 

デメリット4.「赤字でも納税が必要」

法人化することで、赤字であっても納めなければいけなくなる税金があります。

それが法人住民税の均等割です。

法人であれば黒字赤字に関係なく等しく納める必要がある税金で、地域や会社規模によっても変わってきますが、最低でも年間7万円の納税が必要になります。

法人化を検討するなら知っておきましょう。

 

デメリット5.「交際費のルールが厳格化する」

法人化すると交際費のルールが厳格化されるため、個人事業主時代には経費にできていたものができなくなる可能性があります。

厳格化されるルールの詳細は以下のとおりです。

法人の交際費

個人事業主時代に交際費が多かった場合、これを把握せずに法人化すると思わぬ損をする可能性があるので注意してください。

 

飲食店が法人化を考えるべきタイミング

飲食店法人化のタイミング

個人経営の飲食店が法人化を検討するべきタイミングとしては以下が挙げられます。

  • 年間利益が800万円を超えたタイミング
  • 年間の売上が1,000万円を超えたタイミング
  • 事業拡大(多店舗展開)を考えているタイミング

「これらのタイミングで必ず法人化するべき!」というわけではありませんが、検討するには良いタイミングです。

それぞれ解説していきましょう。

 

年間利益が800万円を超えたタイミング

年間の利益が800万円を超えたタイミングで1度法人化の検討をすることをおすすめします。

先にも説明させていただいた節税効果がより大きく表れてくるのがこのタイミングだからです。

もちろん所得控除役員報酬の設定によっても変わってくるので必ずしも法人化すべきとは言えませんが、法人化するタイミングの1つの目安にはなるでしょう。

 

年間売上が1,000万円を超えたタイミング

年間売上が1,000万円を超えたタイミングでも、1度法人化を検討するべきです。

このタイミングは消費税に関わってきます。

売上が1,000万円以下の事業者は免税事業者になることで消費税の納税を免除されますが、売上が1,000万円を超えた2年後から課税事業者として消費税を納税することが義務付けられるからです。

この「2年後」という部分ですが、実は個人事業主から法人化することでカウントがリセットされます。

つまり、売上が1,000万円を超えた翌年に法人化すれば、課税事業者になるのはそこから2年後でよくなるわけです。

インボイス制度を受けて売上1,000万円以下で課税事業者になっている場合はその限りではありませんが、まだ課税事業者になっていない場合は、このタイミングで1度法人化を検討してみてください。

 

事業拡大(多店舗展開)を考えているタイミング

事業拡大(多店舗展開)を考え出したタイミングでも、1度法人化を検討してみるべきです。

先にも説明したとおり、個人経営から法人化することで社会的な信用が上がります。

そうなれば資金調達もやりやすくなりますし、事業拡大のための取引もやりやすくなるからです。

事業拡大に力を入れていくつもりなら、法人化という選択肢は考えておくべきでしょう。

 

飲食店が法人化する手順

飲食店法人化の手続き

飲食店が法人化する手順は以下のとおりです。

〇法人化の手続き

  1. 会社の基本事項を決める
  2. 会社用の印鑑を用意する
  3. 定款を作成し、認証を受ける
  4. 資本金を払い込む
  5. 登記申請をする

 

〇法人化後の手続き

  1. 会社名義の銀行口座を開設する
  2. 個人事業の廃業手続きを行う
  3. 登記事項証明書、印鑑証明書を取得する
  4. 法人設立届出書を提出する
  5. 社会保険、労働保険の加入手続きを行う
  6. 営業許可の再取得

 

とくに注意が必要なのが営業許可の再取得です。

個人事業主として取得した営業許可は法人には引き継げないので、新たに営業許可を再取得する必要があります。

そのほか、法人化の手続きについては下記の記事で解説しているので併せてご確認ください。

⇒個人事業主から法人化する手続きを流れで解説!かかる費用や時間は?

 

飲食店が法人化するときの注意点

飲食店法人化の注意点

飲食店として法人化するなら、下記の点には注意してください。

  • 営業許可を再取得する
  • 資本金を適切に設定する

先にも説明した通り、法人化すると営業許可は取り直しになります。

忘れて無許可で飲食店を営業してしまうと違法になるので絶対に注意してください。

また、資本金の設定にも注意が必要です。

低く設定し過ぎると運転資金が不足してしまいますが、逆に高額に設定し過ぎると節税効果が薄れてしまう可能性があります。

資本金については適切な額を見極めるようにしましょう。

 

【まとめ】飲食店の法人化は専門家に相談しよう

今回は飲食店の法人化について解説をしてきました。

個人経営で始めた飲食店経営が軌道に乗り、事業拡大や多店舗展開をしたいと考えているなら、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。

ただ、そうはいっても自分ではなかなか判断が難しいケースも多いかと思います。

そんなときはぜひ1度池上会計にご相談ください。

会計事務所の中にはレスポンスが遅いところも多く、飲食店の運営で経営者様自身も忙しい状態だと、1つの話を進めるのにかなりの時間がかかってしまいます。

しかし池上会計では即レスポンスを心がけているためスピード感が段違いで、お客様にストレスを感じさせない対応が可能です。

さらに顧問契約をご検討いただいている場合は初回相談は無料となります。

法人化するべきか悩んでいるなら、ぜひ池上会計にご連絡ください。